父が亡くなりました。相続関連の手続きをするときは「法定相続情報一覧図」があると便利だと聞きましたが、それは何ですか。
フォーカス 008▶法定相続情報
[ 質問 ]
父が亡くなりました。相続関連の手続きをするときは「法定相続情報一覧図」があると便利だと聞きましたが、「法定相続情報一覧図」とは何ですか?
[ 回答 ]
お父様が亡くなられ、相続が発生した場合、さまざまな相続手続きを進める必要があります。
例えば、
・預貯金の解約
・不動産の名義変更(相続登記)
・証券口座の手続き
・相続税の申告
など、相続手続きは思った以上に多く、手間もかかります。

これらの手続きを行う際には、通常「被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等」や「相続人の戸籍謄本等」の原本を揃え、各機関に提出する必要があります。
そのため、何通も戸籍を取得し、提出ごとに原本を返してもらう手間が発生します。戸籍の枚数は数十枚に及ぶこともあり、紛失リスクや管理の煩雑さ、確認にかかる時間など、負担が大きくなりがちです。
このような状況で、「法定相続情報を作成すると便利」と案内されることがあります。
正確には「法定相続情報一覧図」と言います。
法定相続情報一覧図を作成するには、戸籍謄本などの取得費用はかかりますが、何通も戸籍を取得したり、紛失して再取得する手間を考えると、結果的に時間・手間・費用の節約につながるケースが多いと言えます。
今回は、このとても便利な「法定相続情報一覧図」がどのようなものなのか、どのような場面で役立つのかを、Q&A方式で分かりやすくご説明します。
Q.法定相続情報一覧図(法定相続情報証明制度)とは何ですか?
A. 法定相続情報一覧図(法定相続情報証明制度)とは、被相続人(亡くなられた方)と、その法定相続人との関係を一覧にした図について、法務局の登記官が認証文を付した写しのことをいい、相続関係を公的に証明する書類になります。
簡単に言うと、
「この方が亡くなり、法律上の相続人はこの方々です」ということを、法務局が証明してくれる書類になります。
つまり、一度作ってしまえば、相続手続きが一気にスムーズになる書類です。
Q.法定相続情報一覧図は、どのような人が作成するのがおすすめですか?
A.相続税申告が必要な方や、被相続人が取引していた銀行・証券会社が複数ある方、また不動産の名義変更(相続登記)が必要な方におすすめです。

Q.どのような相続手続きに法定相続情報一覧図が使えますか?
A.法定相続情報一覧図は、主に次のような相続手続きで利用できます。
・相続税の申告
・不動産の名義変更(相続登記)の申請手続き
・被相続人名義の預金の払戻し手続き
・被相続人名義の証券口座を、相続人名義の口座へ移管する手続き
・被相続人の死亡に伴う年金等の各種手続き など
Q.法定相続情報は誰でもつくることができますか?
A. 被相続人(お亡くなりになられた方)の相続人が、申出人となり作成することが可能です。
Q.自分で作成する時間がありません。誰かに頼むことはできますか?
A.はい、申出手続きは資格を持つ代理人に依頼することができます。
依頼可能な代理人の例は以下の通りです。
・弁護士
・司法書士
・土地家屋調査士
・税理士
・社会保険労務士
・弁理士
・海事代理士
・行政書士
※ その他、法定相続人以外の親族に委任することも可能です。
Q.法定相続情報一覧図を発行してもらうには料金はいくらかかりますか?
A.発行料金は無料です。
法定相続情報一覧図は、法務局で何枚でも無料で発行してもらうことができます。
【注意】
※ 法定相続情報一覧図の作成にあたり、戸籍謄本等の取得には手数料がかかります。
また、郵送による申出や一覧図の交付を希望する場合は、郵送料等が必要となります。
Q.法定相続情報一覧図に、相続放棄をした相続人は載りますか?
A.はい。相続放棄をした方であっても、氏名等は記載されます。
法定相続情報一覧図は、戸籍謄本・除籍謄本等の記載に基づいて法定相続人を明らかにする書類のため、相続放棄をした方であっても、法定相続人であるとして氏名等が記載されます。
Q.法定相続情報一覧図を作成するのに必要な書類はなんですか?-Part1(必ず用意する書類)
A、必ず用意する書類は以下のとおりです。
①被相続人の戸籍・除籍・改製原戸籍(生まれてから亡くなるまでの連続したもの)
②被相続人の住民票の除票
③相続人の戸籍謄抄本(相続人全員分)
④申出人(相続人の代表となって、手続を進める方)の氏 名・住所を確認することができる公的書類
⑤申出書
⑥法定相続情報一覧図(下書き)
詳しくは法務局ホームページ>必ず用意する書類/必要となる場合がある書類をご覧ください。
Q.法定相続情報一覧図を作成するのに必要な書類はなんですか?-Part2(場合によっては必要になる書類)
A、場合によっては必要となる書類は以下のとおりです。
⑦法定相続情報一覧図に相続人の住所を記載する場合
→住民票の写し(相続人全員分)
⑧委任された代理人が申出の手続をする場合
→イ)委任状
→ロ)(親族が代理する場合)申出人と代理人が親族関係にあることが分かる戸籍謄本
→ハ)(資格者代理人が代理する場合)資格者代理人団体所定の身分証明書の写し等
⑨(上記Qの②の書類を取得することができない場合)
→被相続人の 戸籍の附票
詳しくは法務局ホームページ>必ず用意する書類/必要となる場合がある書類をご覧ください。
Q.法定相続情報一覧図作成はどのような流れで進みますか?
A.法定相続情報一覧図の作成の具体的な流れは、以下の通りです。
STEP 1:必要書類の収集
法務局のホームページに掲載されている「必ず用意する書類/必要となる場合がある書類」を参考に、戸籍謄本など必要書類を揃えます。
詳しくは法務局ホームページ>必ず用意する書類/必要となる場合がある書類をご覧ください。
STEP 2:法定相続情報一覧図(下書き)の作成
下書きを作成する際は、法務局の記載例を参考に作ります。
法定相続情報一覧図の様式・記載例は、法務局ホームページ>「主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例」をご覧ください。
STEP 3:申出書に記入し、法務局へ申出
申出書に必要事項を記入し、STEP1で用意した書類とSTEP2で作成した法定相続情報一覧図を添付して、法務局へ提出します。
詳しくは、法務局ホームページ>「法定相続情報証明制度の具体的な手続について」をご覧ください。
Q. 申出書を提出するする登記所はどこになりますか?
A.申出をする登記所は、以下の地を管轄する登記所のいずれかを選択することが可能です。
(1) 被相続人の本籍地(死亡時の本籍を指します。)
(2) 被相続人の最後の住所地
(3) 申出人の住所地
(4) 被相続人名義の不動産の所在地
※管轄の登記所がご不明の場合には、法務局ホームページ「管轄のご案内」をご確認ください。
Q.法定相続情報一覧図に有効期限はありますか?
A. 「法定相続情報一覧図」自体に有効期限はありません。
相続関係は変わらないため、いつでも利用することができます。
【注意】
ただし、提出先(銀行・証券会社など)によっては、独自のルールで「発行から3ヶ月以内」「発行から6ヶ月以内」といった期限を設けている場合があります。
そのため、提出の際には事前に提出先へ確認することをおすすめします。
Q.再発行はできますか?
A. はい、再発行は可能です。
法定相続情報一覧図は、申出日の翌年から起算して5年間、法務局で保存されます。
そのため、この保存期間内であれば、再交付を受けることができます。
Q.再交付はだれでもできますか?
再交付ができるのは、当初の申出時において申出書へ「申出人」として氏名を記載した方に限られます。
※ 当初の申出において申出人とならなかった他の相続人は、再交付を受けることができません。ただし、再交付の委任を受ければ再交付の手続きは可能になります。
Q.法定相続情報一覧図を作成できないケースはありますか?
A.被相続人または相続人が日本国籍ではない場合や、戸籍謄本・除籍謄本等を提出できない場合には、法定相続情報一覧図を作成することができません。
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相続は、一生のうちに何度も経験するものではありません。
そのため、「何から始めればよいのか分からない…」と感じるのは、自然なことです。
「何も分からないのに相談してもいいのかしら…」と迷わずに、どうぞ安心してお気軽にご相談ください。
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