両親が相次いで亡くなり、遺言書も無かったため、相続手続きを何から初めればいいのか分からなかったケース
家族構成
相談者の立場
相続人長女 (63歳)
被相続人
母親(91歳) 相続発生日:令和2年11月10日
父親(96歳) 相続発生日:令和2年11月12日
相談者以外の相続人
長男(60歳)
相続財産
母親の財産 700万円
父親の財産7,000万円(土地家屋も含む)
財産合計 7,700万円
~~財産の内訳~~
不動産 2.460万円
現預金 5,240万円
相談内容
(1) 母親が亡くなった直後に父親も相次いで亡くなりました、遺言書も見つからず急な出来事だったので手付かずのままです、今後の相続はどのように何をすれば良いですか?
解決内容
(1) 相次いでご両親がお亡くなりになりましたが、母親と父親の相続は同一の出来事として捉えるのではなく、相続発生日に起きていた事象と照らし合わせ考えていきます。
そして母親の相続税申告の必要性の判定をする際に、母親の所有財産に対して、基礎控除額が上回っていた場合にのみ必要となります。
基礎控除額は3,000万円+600万円×法定相続人 3名 =4,800万円です。
母親の相続発生日を振り返ると、法定相続人は父親・長女・長男が該当致します。
よって、母親の所有財産額が基礎控除額を下回る為、相続税の申告は必要ございません。
(2) 父親の相続につきましては、所有財産が7,350万円になります。
内訳として父親の7,000万円の財産+350万円(母親の未分割財産の内、法定相続分である2分の1を計上する必要がある為)=7,350万円となります。
基礎控除額は、3,000万円+600万円×法定相続人数 2名=4,200万円です。
父親の所有財産が基礎控除額を上回った為、相続税の申告の必要です。
(3) 今後の相続関係で必要な手続き
①ご両親が契約している電話・公共料金・年金等の手続き。
②父親の相続税の申告。(母親の相続税の申告は不要)
③遺産分割協議書の作成(遺言書の代わりとなるもの)
④父親が所有をしている不動産(土地・家屋)の登記簿謄本の名義変更。
⑤銀行・有価証券の相続手続き。
法定相続人について
配偶者は必ず相続人になれる
民法では、亡くなった人の配偶者(夫または妻)は、常に相続人となると定められています。(民法第890条)
ただし、正式な婚姻関係にある配偶者だけで、事実婚のパートナーや内縁関係の夫や妻といった人は相続人にはなれません。
長年夫婦同様に暮らしていても、法律上の届出をしていない場合は相続人として認められません。
もし内縁関係の人に財産をのこしたい場合は、遺言をのこす必要がありますので注意しましょう。
配偶者以外の相続人には相続人になれる順位が決まっている
相続人になれるのは、配偶者と血縁関係にある人です。法律では下記のように定められています。
配偶者と共に、下記の親族が相続人になる
●第1順位:被相続人の子供。子供が亡くなっている場合には、孫等の直系卑属。(民法第887条)
● 第2順位:第一順位の相続人がいない場合、被相続人の親。親が亡くなっている場合には、祖父母などの直系尊属。(民法第889条①)
● 第3順位:上位の相続人がいない場合、被相続人の兄弟姉妹。兄弟姉妹が亡くなっている場合には、その子供である被相続人の甥や姪。(民法第889条②)なお、子供がなくなっている場合と違い代襲相続人となれるのは甥、姪までである。
第1順位:被相続人の子供(子供が亡くなっている場合には孫等の直系卑属))
上の図のようなときには、配偶者と第1順位の子ども3人が相続人になります(配偶者は常に相続人になれる)。
もし子どもが既に亡くなっていて、孫がいる場合には、孫が代わりに相続(代襲相続)することになります。
孫が亡くなっていて、ひ孫がいれば、ひ孫が代わりに相続人になる(代襲相続)ことができます。第1順位の代襲相続は、代が途切れるまでどこまでも続きます。
また、養子がいる場合には、その人も第1順位の相続人となります。
第2順位:被相続人の父母(父母が亡くなっている場合には祖父母等直系尊属)
子どもがいない場合には、第2順位の亡くなった方の父母が相続人になります。
また、亡くなった方の父母がいない場合には、祖父母が相続人になります。
第3順位:被相続人の兄弟姉妹(兄弟姉妹が亡くなっている場合にはその子供である被相続人の甥・姪)
子どもも親もいない場合は、第3順位の兄弟姉妹が相続人になります。
兄弟姉妹が既に亡くなっている場合には、甥・姪が代わりに相続人になります(代襲相続)。
第1順位のとき(子供がなくなっている場合)とは違い、代襲相続人となれるのは甥、姪までです。
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遺産分割協議の注意点
遺産分割協議を円満に進められないと最終的には、家庭裁判所での調停や審判の手続きに発展してしまう可能性があるので、リスク回避のために以下のような注意が必要です。
ここでは代表的なものをご紹介します。
✓ 必ず相続人全員で行う
✓ 「誰が」「どの財産を」「どれだけ取得するか」を明確に記載する
✓ 後日発見された遺産(借金が出てくる場合もある)を、どのように分配するか決めておく
✓ 不動産の表示は、所在地や面積など、登記簿の通りに記載する
✓ 預貯金などは、銀行名・支店名・預金の種類・口座番号なども細かく記載する
遺産分割協議の方法や遺産分割協議書の作り方を誤ると、やり直しになってしまうことがあるので、注意が必要です。
遺産分割協議がうまくいかないケース
いざ、遺産分割協議を始めようと思っても、下記のような事情がある場合上手くいかないことがあります。
✓ 疎遠な相続人がいる
✓ 遠方に住んでる相続人がいる
✓ 非協力的な相続人がいる
✓ 相続人の数が多い
✓ 相続財産が多岐にわたる・多額である
このような場合、相続トラブルになってしまうことがありますが、専門家に相談することで未然にトラブルを防げる可能性が高まります。
不動産の名義変更
お亡くなりになった方名義の不動産を相続人に名義変更する手続きです。
不動産の所有者は、法務局にて全部事項証明書(登記簿)を取得することにより確認することができます。全部事項証明書(登記簿)は、甲区と乙区という2つの区分が設けられており甲区には、所有権に関する事項として所有者が、乙区には、所有権以外の権利に関する事項として抵当権等の権利がその不動産に付されているかが記載されています。
被相続人名義の不動産を相続人が相続した場合には、全部事項証明書(登記簿)の記載を変更することにより公に相続人がその不動産の所有者となったことが明らかにされます。
不動産の名義を変更しないと、後々トラブルになることがありますので、できるだけ速やかに行ってください。
不動産の名義変更の手続きの流れ
遺産分割協議書に押印
↓
登記に必要な資料の収集(固定資産税評価証明書等)
↓
登記申請書の作成
↓
法務局への登記の申請
↓
1週間~2週間で登記完了
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